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浦安たかやなぎクリニック

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慢性腎臓病

慢性腎臓病と生きる: 医師の立場から

はじめに

私は慢性腎臓病対策協力医として、慢性腎臓病(CKD)が人々の生活にどのような影響を与えるかを直接見てきました。慢性腎臓病は、腎臓が徐々に正常に機能しなくなる病気で、対処しなければ深刻な健康問題に発展する可能性があります。世界中で多くの人が罹患している一般的な疾病で、日本では1,330万人(成人人口の約13%)が慢性腎臓病患者と言われています。この病気の概要、原因、兆候、管理方法について分かりやすくお話ししましょう。

原因と症状

慢性腎臓病の主な原因は糖尿病と高血圧で、ほとんどの症例で関係があります。
その他には、腎臓の炎症、遺伝的疾患、自己免疫疾患、特定の薬剤の長期使用、尿路閉塞などが挙げられます。
初期の慢性腎臓病は明確な症状がないことが多く、発見が困難です。病気が進行すると、疲れやすい、手足のむくみ、息切れ、吐き気、食欲不振、排尿の変化、濃い尿や泡状の尿、集中力の低下、かゆみ、睡眠障害などの症状が現れるようになります。

病期と治療法

慢性腎臓病は、腎臓の機能に応じて5つのステージに分けられます。ステージは、機能がほぼ正常な軽度の損傷から、透析や腎臓移植が必要な完全な腎不全まであります。

慢性腎臓病に治療法はありませんが、早期発見と適切なケアにより、病気の進行を遅らせ、合併症を予防することができます。慢性腎臓病を管理する方法としては以下のようなものがあります。

  • 1. 生活習慣の改善: 健康的な食事、定期的な運動、禁煙、アルコール摂取の制限などは、腎臓の健康に大きく影響します。
  • 2. 血圧の管理:薬物療法と生活習慣の改善によって高血圧を管理することは、腎臓を保護するために不可欠です。
  • 3. 血糖値の管理:糖尿病の方は、血糖値を適正に保つことで、CKDの進行を遅らせることができます。
  • 4. 薬物療法: 尿中のタンパク質の量を減らすことで、腎臓を保護することができる薬もあります。
  • 5. 貧血の治療: 貧血はCKDによく見られる問題ですが、鉄剤や他の薬で対処することができます。ミネラルのバランスを整える カリウム、カルシウム、リンなどのミネラルを適切に保つことは、腎臓全体の健康維持に不可欠です。

腎臓病を診てきた医師として、慢性腎臓病の危険因子と症状を認識することの重要性はいくら強調してもしきれません。腎臓の健康を維持するための対策を講じ、必要に応じて医療機関を受診することで、この一般的な病気をよりよく管理することができます。特にリスクの高い方は、定期的な検診を受けることが、慢性腎臓病の早期発見とより良い管理のために重要です。